土地に惑う
結局は土地
建てたいハウスメーカーや工務店があっても、建物は土地の上に建つので結局は土地が無いと話になりません。
天井の高い家、素敵なキッチン、広々お風呂、さらさら床材、ほかほかマイホーム・・・。
すべて土地がなければ実現できません。
注文住宅を考えている人たちが最初にぶち当たる壁、それが土地探しのようです。
我が家もまさに土地探しに苦労しました。
土地探しの際に聞いた話ですが、
スーモ等の物件情報サイトで見れる土地は、言い方を悪くすれば搾りカスのような土地で、良い土地はそこに載る前に大抵業者が買ってしまうとのことです。
少しでも土地の大きさに余裕があれば、分割をして建売で売ったり、土地として出す場合でも建築条件付きだったり。
それらをすり抜けて出てきた土地は、接道がギリギリ2m程度だったり、古家が残っていたり、私道を挟んでいたりと、とにかく条件が悪い土地。
とにかく素人が自力で見つけるには難しいのが土地です。
5%の未公開物件
「…で、そのうち5%の未公開物件情報が有難いことにボクに入ってくるんです。」
と、クセの強い男が工務店の説明を2件受けた後の疲れ果てた僕ら夫婦に話します。
午後5時過ぎの住宅展示場の一角、ハウスメーカーが”一緒に土地探しをしてくれる人”として紹介してきた人物が目の前にいます。
「ボクは一発目に一番良い土地を持ってきます。皆さん大抵その土地を見て決めちゃいます。」
本当か・・・?
「これがリストなんですけど・・・一発目で決めた人たちの・・・」
と、日付の書かれたリストをスクロールしながら、
「とりあえず明日、お時間ありませんか?2時間程度でいいです。土地って実際に環境も一緒に見てみないと判断できないので、条件の悪そうな土地も含めて見て回りましょう。回っていくうちの好みの土地の方向性も出てくると思います。どうですか?」
グイグイ。
この時は建売も探しながら注文住宅の話も聞いていて、毎週末連日潰れているような状態だったので、明日はなんとかして予定を入れずに休もう。と妻とも話していましたが・・・。
土地が無いこの状況。妻と目が合い、とりあえずお手洗いタイムを設けて軽く作戦会議。
とにかく土地の有益な情報は欲しい。2時間程度なら…。
というわけで、疲れた体に鞭打って、クセも押しも強いこの人に土地を案内してもらうことに。
癖はあるが・・・
翌日、予定時間より早く「近くにいるのでいつでも行けますよ」という連絡があったので、
時間の連絡と、スーモで見つけて気になっていた土地があったので、そこもついでに見たいという旨を伝えると、
「どーぞ^_^」(原文ママ)
苦手だ・・・。
会う前からウッ・・・となりながらも、
まずはあまりよくない土地を見にいきます。
スーモのページでは一見よさそうな土地でも、
実際に見に行ってみると、すぐ横に崖があったり、盛土で道路から高さが出ていたり、
近隣の住民が路上駐車しまくりだったり、前面道路が狭く駐車が困難なところだったり。
たしかにここは嫌だなあという条件が揃った土地を見せてくれました。
続いて「どーぞ^_^」の気になっていた土地。
ここは工業地帯から近いのですが、
角地で周辺は閑静、大きめの公園やスーパーやコンビニ、ドラッグストアも近いため個人的には良物件だと思っていました。(学区は微妙、昔からこのあたりに住んでいる人からすると地域もちょっと微妙。)
ただここは傾斜地で造成費用が未知数。隣地との境のブロックが土圧で若干越境しており、そのあたりも費用がかかる可能性がありますよ。とのこと。
場所はいいかもですが、その辺の金額が膨らむ可能性が高いとの意見。
土地の値段だけでかなりギリギリだったのですが、そのあたりの金額がプラスされるとたしかにアウト・・・。
さすがに土地仲介を多くやってるだけあって、説得力あるな・・・。
いよいよ次はこのクセつよ男のおすすめ物件その1。
朝一でよさそうな物件を見つけたので、急遽紹介とのことでした。
気になっていた土地からそう離れていない場所にあるこの土地。
南側道路で整形地、前面道路は8m以上ありそうですが、車通りは多くありません。
しかもかなり静か。容積率も150%あります。
湿気の問題がある北側もお家があるのですが、駐車場なので抜けています。
土地の価格は先ほどの土地+100万円程度。
好条件整いすぎ!!!!
良い土地の条件はざっくりと
・整形地であること
造成費用や残土処理費用などほとんどかからない
・土地に面する道路が広くとれていること
建築の際、工事車両が入りにくかったり止めづらかったりすると建築費が高くなる
住み始めてからも道路が狭いといろいろ不便
上記のふたつが挙げられます。
紹介された土地はここを完全にクリア。
このような土地は爆速で売れていきます。ガンガンガン速です。
もう更地整形地ってだけで速攻で無くなります。
でも目の前にある・・・。
申し込み状況を聞いてもらいましたが、まだ申し込みは無いものの、間取りを当てはめてるお客さんはいるとのこと。
過るあの言葉。
「ボクは一発目に一番良い土地を持ってきます。皆さん大抵その土地を見て決めちゃいます。」
本当だったのか・・・?
ただこの土地、欠点を上げるとするなら
絶妙に不便。
近所にコンビニ無い、スーパー無い、病院・・・はぎりぎりある。
駅のある地域から下った場所にある地域なので、坂道がある。
生活し始めてそれらの不便を許せるかどうか、などもしっかりと想像する必要があります。
ひとまず良さそうな土地はあったので、続いてクセつよ男のおすすめ物件その2。
草がもさもさで分かりづらいかと思いますが、
ここもきれいな整形地で10区画程度の分譲地です。
元々購入者がいたようなのですが、ローンの審査が通らず白紙契約になった土地とのこと。
白紙契約になったばかりなので、まだ未公開物件らしい。
おすすめ物件その1からさらに郊外にある土地ですが、なんと1,000万以上安い。
しかしここだと妻が通勤で使う駅までバスで30分。
郊外で住めば都でしょうが、さすがに不便すぎる。
クセつよ仲介も妻の通勤事情を考慮していなかったとのことで、「それは考慮してなかった・・・そういうことでしたらさっきの物件の方が絶対にいいと思います!」と一言。
ここでタイムオーバー。帰路につきます。
帰りの車内で「今日の中ならおすすめ物件1の方だろうな・・・」と考えていると、
隣で妻が意中の工務店に土地の状態の確認等をしていました。したたかだ・・・。
家に到着して降車する直前「あの土地どうされますか?^_^」
きたっ!!
まだ踏ん切りがつかない自分もいるし、なにより癖も圧も強いこの人から仲介されるのなんか嫌だ・・・。
前日の打合せで「僕はたぶん1回じゃ決まらないですよ。」と伝えていたので、ひとまず保留に・・・。
土地探しに100点はありません。
注文住宅を土地探しから考えている人はきっと同じことを言われると思います。
「50点の土地を見つけて、建物を合わせて100点にしましょう。」
おそらく今回の土地は条件と立地のトレードオフで50点くらいだと思います。
人によって75点くらいあるかもしれません。
でも今回のこの土地巡りで""良い条件の土地の探し方""はなんとなくわかった気がする。
周辺の環境はもちろんだけど、道路だったり、土地の形だったり。
もう少しいい土地がありそう。そんな気がする・・・。